運動会 2021年度実施 潟上中学校
山口から世界へ発信するデジタル運動会
潟上中学校
山口市南部(山口市陶1912)の潟上中学校では、メディア・テクノロジーが組み込まれた道具を使って、運動会種目をつくるワークショップ「スポーツハッカソン for Kids」により、新たな競技種目を開発し、体育祭に向けて実施しました。
(2021年7月〜9月実施)
授業開発のながれ
スポーツハッカソン、アイディア収集
3年生がスポーツハッカソン※を体験し、YCAMの職員から端末の使い方などを教わり、振動検知機能のついた機器を内蔵するYCAMボールを使った新しい競技案を各自が考え、Googleのアプリを活用してアイディアを共有しました。
※スポーツハッカソンとは
「ハッカソン」とは、IT用語で「改変する」という意味のハック(hack)と、マラソン(marathon)を掛け合わせた造語で、人々が議論と実践を繰り返し、新しいものを開発すること。
https://www.ycam.jp/archive/workshop/sports-hackathon-for-kids/
未来の潟上中の運動会
9月11日体育祭当日、全校生徒によって競技は実施されました。競技名は『世界の果てまで振ってQ(球)』2チームの対抗戦で、リレーのバトンの代わりに直径約1.5mの大きなボールを手渡しながら校庭を走ります。ボールは4人一組で運び、最後に受け取った参加者は、振動の数値が2021ポイントになるまでその場で振る、ポイントに達したらゴールまで走り、先に到着したチームが勝ちとなります。
生徒たちは、自分たちで考えてつくることの大変さを学び、見ている人も楽しめる、みんなが主役になれる体育祭を作り上げることができました。
また、体育祭競技を創造するというこれまでにない活動は、生徒にとっても教員にとっても意欲の向上につながり、体育祭当日には生徒が全力で楽しんでいる姿が見られました。
伝え方を意識できるように
体育祭後、生徒からは「新しい競技をつくるという課題にワクワクした。みんなで何かを作るという姿勢そのものを学ぶことができた」「ICT機器を使うことで話し合いを効率よく進められた」などの感想が聞かれた。端末を使い、チャット機能などを通して検討する中で、自分の考えを分かりやすくまとめて発信するということを意識するようになり、アイディア出しを円滑に進められるようになりました。
また、教員にとっても、ICTの活用に対する意欲の向上につながった。活動が始まる前には、新しい取り組みを始めることに不安を感じる教員もいたが、生徒たちが一生懸命に考えて楽しむ姿が見られたことから、「挑戦してよかった」との声が聞かれました。体育祭は、体育だけでなく、様々な教育活動の成果を発揮できる場であることを教員の間で改めて確認でき、生徒にとっても教員にとっても学びの多い体育祭になりました。
撮影:塩見浩介
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]